2021年8月30日月曜日

QFHアンテナのopenMoMシミュレーション

 利得はほどほどだが、追尾装置を必要としない衛星通信用アンテナとしてQFHアンテナがある。ナガラ電子[1]のものを購入して学生実験の一テーマとして衛星からの電波受信実験を行なったが、見事にCWが受信できる。インターネットを調べてもかなり色々な設計データが得られる[2]。OpenMoM[3]を使ってシミュレーションをしてみようと思って、一応の成果が出たのでここにメモ書きとして残す。

(経緯:4ヶ月後に重い腰を上げてアンテナを自宅屋根上に設置したら、シミュレーションのやり方を忘れていた。)

 QFHアンテナは2組のねじれたループが組み合わさった構造になっている。ねじれたループの2つに上から給電すると円偏波でドーム状のアンテナパターンが得られる。この構造で最大5dBi強の利得が取れるようだ。

QFHアンテナの構造
(2021年9月1日修正)

QFHアンテナのアンテナパターン例
(2021年9月1日修正)


 このねじれをopenMoMのGUIソフトだけで再現するのは難しいので、PythonでパラメータファイルからopenMoMモデルを作るコードを書いた。ねじれの角度は色々なパターンが取れるが、半周捻ったものが一般的なようなので、今回はそれで固定している。コードは綺麗ではないがそこはご愛嬌ということで。

https://github.com/J-ROCKET-BOY/QFH-antenna-OpenMoM-simulation

(2021年9月1日 結構なバグがあったので、アップデート 詳細は次のブログ記事で)

https://rocket-live.blogspot.com/2021/09/qfhqfh.html

 pythonが動く環境で "python QFHgenerator.py parameter.csv"などと実行すればcsvファイルに格納されたパラメータでopenMoMのモデルが生成する。ommRun.batを実行すると、生成されたモデルファイルのシミュレーションを実行する。(ommRun.batはこちらのシミュレーション環境に合わせて構築しているので、適宜修正して実行のこと)


各パラメータの意味は次の通り

File Name: モデルのファイル名、格納されるフォルダ名

BaseModel: 元となるモデル。周波数範囲などの物体形状以外のシミュレーションパラメータはこのモデルファイルを引き継ぐ

d[m]: エレメントの太さ

Dl[m], Ds[m]: ヘリカルの直径(Dl:大きい方、Ds: 小さい方)

Hl[m], Hs[m]: ヘリカルの高さ(Hl: 大きい方、Hs: 小さい方)

Ht[m]: 地上高(上エレメントの高さ)

Div: ヘリカル部の分割数(36なら180/36 = 5度ずつに分割)


parameter.csvに記載しているパラメータはアマチュアUHF帯に最適化したパラメータのみを残している。

最終設計の寸法(エレメント直径: 3mm)

 最終設計のパラメータは、John Coppens ON6JC/LW3HAZ氏の計算サイト[2]の設計を元に、436.5MHz(アマチュアUHFの衛星割り当ての真ん中)で交差偏波成分が最も減るように全体のサイズを調整したものである。

9月1日追記:コードが間違っていたので放射パターンが多少変わって、最適とは言えなくなりました。ただし、それほど悪い設計ではないようです。

 結果としては、アマチュアUHF帯全域で5.0~5.1dBi程度の最大利得で仰角50度付近にある。整合はアマチュアUHF帯全域で反射損失が-11.9dB以下、VSWRで1.7以下となった。整合に関してはもう少し調整の余地があるかもしれない。

放射パターン YZ平面

放射パターン XZ平面

反射特性

【おまけ】

実際に作って屋根にあげてみた。ねじれ方向は逆なので、右旋回の円偏波になっている。

(9月1日追記:ねじれ方向はモデルと同じです。)

BIRDS-3[4]からのCWやGMSK信号がよく見えている。思ったよりGMSKのパケットのSN比が良いのでもしかしたら高仰角ならデコードができるかもしれない。

屋根の上にあげたQFHアンテナ


BIRDS-3 ウグイスからのCW


BIRDS-3 ウグイスからのGMSK信号


【参考文献】

[1] CQオーム、「ナガラ電子QFH435(QFH-435) 430MHzQFHアンテナ 低軌道衛星通信用」、https://www.cqcqde.com/fs/cqohm/16078

[2] John Coppens ON6JC/LW3HAZ, "Quadrifilar helicoidal", http://jcoppens.com/ant/qfh/calc.en.php

[3] 株式会社EEM、「OpenMoM - オープンソースモーメント法シミュレーター」、http://www.e-em.co.jp/OpenMOM/

[4] BIRDS-3 project, "Amateur Radio Operators", https://birds3.birds-project.com/outreach/document/

[5] 大賀明夫、「モーメント法の基礎とOpenMoM入門」RFワールド No.39、pp14-51、CQ出版2017年、https://www.rf-world.jp/bn/RFW39/RFW39A.shtml

2018年12月5日水曜日

アマチュア無線局免許状を手に入れました

約1ヶ月前ですが、アマチュア無線局の免許状が届きました。



ただ、手持ちのアンテナが八木アンテナだけなので、適当なヘンテナかJポールアンテナを作ろうかなと思います。

アマチュアムセン イマダニヨク ワカラナイ

2018年9月22日土曜日

今週一週間のアマチュア無線への道、進捗報告

アマチュア衛星を追いかけるのにハマっているロケット小僧です。

アンテナ小僧にでも改名しようかな?


今週の進捗が結構出たので、報告しておきます。

1,大学生協に追尾運用をしやすい場所を見つけた。

生協2階は空が開けていて、グラウンドみたいに砂だらけにならず、さらにパソコンを置く机があるという完璧な場所でした。
難点は、休みじゃないと人が多すぎてつらいだろうなというところです。

生協2階で追尾中の動画


2,アンテナの測定と調整を行った。

今まではアンテナシミュレーションを元に作るだけでしたが、電波無響室をちょこっと借りれたので、いくつか測定と調整をしました。
内容は、ネットワークアナライザで、アンテナの共振点を測って給電部のエレメント長をの調整と、SWRメータでSWRの測定を行いました。
437.5MHzに共振点を調整して、SWRは435MHz~440MHzで1.25~1.30でした。

電波無響室にて共振点測定


3,母校にでデモしてきた。

母校で追尾デモをしてきました。
急にお邪魔しましたけど、喜んでもらえたようで良かったです。

アンテナ梱包

高校で展開してデモ


4,UHFのトランシーバーを手に入れた。

これで、個人局が開局できる!
機種名はTR-9500です。
古い無線機なのでスプリアス保証してもらわないと開局できないですが、ここによると、可能なようのでこれで開局に向けて進めようと思います。

CW受信感度測定の様子


来週は、開局申請とアンテナローテーターをオープンソース化したいなと考えています。
夏休みが残り1週間なので、そこまでは進めてしまいたいです。

2018年9月16日日曜日

アマチュア衛星受信中

ローテータを自作したので、430MHz帯を使っている衛星を追っています。



このサイト(https://www.n2yo.com/satellites/?c=18)によると、430MHz帯でビーコンを出している運用中の衛星は50機以上いるようです。

いくつか受信できたので、受信できた衛星と自分の環境での中心周波数をメモがてら載せます。

JAS2(FO-29)
437.7959MHz

CUTE-1.7+APD II
437.27455MHz

SEEDS(SEEDS-II)
437.4858MHz

KKS-1(KISEKI)
437.3862MHz

HORYU-IV
437.37285MHz

AOBA-VELOX III
437.3726MHz

BIRDS-II(UiTMSAT-1 MAYA-1 BHUTANのどれか)
437.3742MHz(違う周波数で2つ聞こえたからおそらく3つのうち2つ受信したっぽい)

周波数は自分のSDRの個体差もありますし、必ずしも正しくないかもしれません。(一応周波数発振器で校正はしていますが・・・)

デコードがちゃんとできるようにしたり、録音データのアップロードとかできるようにしたり、もうちょっと環境を整えてきちんとした受信報告ができるようにしたいと思います。

あと、おそらく来年3月のNT京都にこれを出展します。

2018年8月19日日曜日

LinuxでTLE自動更新

夏休みの空いた時間を使ってUbuntuをデスクトップに入れてみては、Pythonコードがほぼそのまま動いてくれて感動しているロケット小僧です。
そのまま動かないのは、Windowsでコードを書いているときにソースコードの頭2行に書くおまじないをサボっていたせいですけどね。

メモがわりに、先日の記事で提示したTLEの自動ダウンロードスクリプトで修正版を貼りまする。(先日の記事にも追加しました)

#!/usr/bin/env python
# -*- coding: utf-8 -*-

from spacetrack import SpaceTrackClient

st = SpaceTrackClient('ID', 'password')
TLE = st.tle_latest(favorites='KIT', ordinal=1, epoch='>now-30', format='3le')

print(TLE)

先日の記事と同じく、IDとpasswordをspacetrack.orgで取得したものに置き換えて、favorites='KIT'を実在するリスト名に指定して実行すると、そのリストをダウンロードして表示します。
この表示をリダイレクトでファイルに保存してOrbitronなどで使う方法を取っています。
ソースコードをいじらなくても、出力先は後で変えれたらいいなぐらいの気持ちで変えました。


crontabで毎時呼び出して使っています。

00 * * * * python /home/username/tle/downloadTLE.py > /home/username/tle/satellite.txt

2018年8月21日更新
0時ちょうどにしか更新されないなと思ったら、crontabの設定ミスってました。

自動実行がWindowsより圧倒的に簡単にできて便利だなぁと思う今日この頃でした。


2018年8月11日土曜日

BIRDS2を手持ち八木で受信してみた

2018年8月10日 18時45分に国際宇宙ステーションからBIRDS2プロジェクトの衛星3機が放出されました。


少し前に手持ち八木で435MHz帯の衛星を受信するシステムを構築していたので、受信してみました。
受信システムの詳細は需要がありそうだったら記事にします。
(一応トラ技Jr34号 2018年夏号に記事はあります。)

最初のトライとしては、8月10日17時20分ごろからの日本上空を通過する最初のパスでした。ISSの軌道情報(TLE)を使ってトラッキングしましたが、とりあえず電波は取れるモノの、3機が区別できるほどではありませんでした。


8月11日20時ごろからのパスで再トライしました。
TBA - TO BE ASSIGNEDですが、3機分のTLEも出ていたので真ん中のTLE(カタログ番号43590)を使って追ってみました。


今日はきれいに聞こえてきました。
受信周波数は437.377MHzにドップラー効果を計算して追っています。
発表では437.375MHzだったので、少し高めですね。
ちなみに、同じ西無線の通信機をダウンリンクに使っているAOBA-VeloxIIIは437.373MHz,鳳龍四号は437.374MHz(手持ち八木とIC-R20で受信した実測値)なので、個体差で数kHzぐらいずれるようです。
(BIRDS2についてのPDF)

放出当初はCWが送出される時間がきれいにずれて、重ならずに聞こえていたCWですが、内臓時計のずれやリセットなどによる影響でブータンとフィリピンの衛星はほとんど重なって、マレーシアも間をあけずに聞こえてきました。
今回の受信では、ブータンの衛星の電波が一番強かったように感じました。

AOBA-VeloxIIIや鳳龍四号で使っていたため、CwGetを使っていますが、BIRDS2チームはCW skimmerを導入しているようです。


録音から再生して表示させてみましたが、かなり高性能で使えそうです。ただシェアウエアなので使い続けるには75ドルだそうです。ちょっと高い・・・

久しぶりに衛星受信したら、ちょっといろいろと作りたくなってきたので、夏休みを使っていろいろやってみます。

やりたいこと
ローテーターを作る
ソフトウエア無線を使いこなす(今使っているレシーバーは研究室のを拝借してるので)
自動追尾ソフト&サーバーアップロード機能あたりを作る

NT京都あたりで展示&実演できたらいいな・・・

2018年7月23日月曜日

先日発注した基板が、土曜日に発送されていたようです。


17日発注なので、 今回は5日で発送ですね。はやか~

明日か明後日には受け取れると思うので、楽しみですな。

10枚で発注したけどelecrowガチャ、いくつになってるかな・・・